20220102

ヒロアキ君を迎えてRecしたアルバム「THREE」が2月にリリースされ、その熱をもう少し外に放つようにと挑戦した自キャリア初の大阪東京ワンマンライブ。情勢の風向きとは反り合うように各地へ遠征し尽くし、何が何日で、何曜日だったのか、あの日食った飯は?覚えていないくらい夢中で演奏した一年だった。

年末の自主企画も大熱狂(のはず)で完遂し、ヒロアキ君をさよならポエジーの正式メンバーとして迎えることになった。もうこの人しかいないのだから、この人が良いのだ。また柱が3本となり、自分たちは再スタートを切る。頼もしいチームに囲まれながら。

 

沢山の人に再会出来た一年だった。何も覆らなければ死ぬしかなかった裏方さんや、場所。何もないから働くしかなかった音楽家。きらりとハイエースから降りてきた友達。各地で顔を見せてくれたお客さん。「音楽は再会の為にある」となんとなく思っていたけれど、あながち間違いでは無くてホッとした。音楽は場所ではなく理由になることしか出来なかったが、充分その力強さを感じる事ができた。

今一度、自分たちに演奏出来る機会を、場所を、与えて・支えてくれた裏方(この名称全然好きじゃない)の皆さんありがとうございました。

 

相変わらず情勢の雲行きは怪しく、来場してくれるお客さんにはまだまだ無理を強いる部分が大きい。企画を運営する側や、イベントが行われる箱自体も、元気なんか何も取り戻していない(ように見える)。辟易は続いている。

 

今年から大規模なワクチン接種が行われた事で、ある程度気の緩まった風がライブハウスの中へ流れ込んで来ることがあるけれど、まだまだ繋がれた錠の重さは実感出来る距離にある。もうそろそろパーっと行きたいが、油断が出来ない。危なっかしい友達がそばにいるなら、一瞬肩をトントンとしてやって欲しい。

 

何となく揶揄され続けたライブハウスで、決して安くないソフトドリンクを沢山呑み込んでくれた人たち。自分がその1人になってはいけないと「私・僕は今のライブハウスに行かない」とあの日決断した人たち。そんな人たちが支えてきた未来が今ここにある。まだまだ安全圏では無いけれど、あの時、大きな重機が無感情に爪を入れなくて済んだ場所がきっと各地に沢山ある。入ることになった場所も。しかし音楽がまだ鳴っていたら、いつかまた遊びに行って欲しい。きっと賑やかに出迎えてくれるはず。

 

残り一筋になり、今にもちぎれてしまいそうな何かが、音楽やそれを取り巻くわずかな豊かさのエネルギーを帯びて耐え忍んでくれている。自分もその一端を担っている。2022も何か頑張らなければ、と歩き出す。上手くいくと良いんだけれど。

 

正月だって余裕でバイト。こうして俺も誰かの何かに。